今日もビショップ　VETRA　OVERSIZED JACKET

インポート古着に心惹かれるひとつの理由としては、服を通してその土地の背景に触れることができるのも一理あるだろう。たとえばフランスのワークウェア。19世紀半ば頃から作られたとされるその背景には、イギリスの産業革命の影響を受け国内の産業構造に変化が生まれた歴史が透けて見える。炭鉱業に従事していた者たちが着用していたワークウェアは主にモールスキン製だったが、1950年代頃から徐々に減少していった理由に炭鉱工業の衰退が影響していると思われる。〈VETRA〉は1927年の設立以降、そんなワーカーたちの日常を支えてきた。それは今も変わらず、現在は企業向けユニフォームも製作する。今シーズンはブランドオリジナルモデルのフレンチカバーオールをセレクト。ドロップさせた肩が今っぽく、レインボーのカラーステッチにフランスらしいエスプリを感じさせる。とはいえ、ヴィンテージのフレンチワークジャケットのように味わい深く堂々とした佇まい。その存在感を見るにつけ、世界の一流デザイナーたちが参考にしてきたといわれるのもうなずける。現地の文化と伝統を身に纏う愉悦を、ぜひこの一着で体感してほしい。