今日もビショップ　orSlow　DENIM LOOSE FIT COVERALL（EXCLUSIVE）

今、おそらく1930年代の、しかも米国製ワークウェアを見つけるのは至難の業だろう。ただ、過去には少なからず目にする機会はあった。それもこれも’20年代以降の世界情勢が影響しているといわれる。世界大恐慌に見舞われ失業者が街に溢れかえった暗黒時代、時の大統領、フランクリン・ルーズベルトがニューディール政策を敢行し全米各地で道路、空港、学校などを建設。多くの雇用を生み出した。一方、富裕層の間では休日を牧場で過ごすデュード・ランチが流行。ジーンズが人々の生活に根付くきっかけとなった。ゆえに当時作られたワークウェアは意外に多いのである。そんな背景を知るとなかなかどうして〈orSlow〉がウィメンズラインで発表したカバーオールは興味深い。’30年代のアイテムに見られる意匠を忠実に再現し、オーバー気味に仕上げたことで今袖を通してもしっくりくる。生地の風合いや色落ちはリアリティに溢れ、男性陣にとっては実に羨ましい限り。こちらはその声に応えた一着。パターンから見直して作られているだけに男たちにぴったりで、9オンスのセルヴィッジデニムを使用したその姿はまるでヴィンテージ。当時の空気感だけでも、ぜひこの一着で楽しみたい。