今日もビショップ　Setinn　RACKET BALL TEE

これまでにテニスからインスパイアされファッションへと昇華された例は多い。1930年代に広まったとされるポロシャツやテニスシューズはいい例で、フレッド・ペリーやビル・チルデンといった名プレーヤーの着こなしも注目を集めた（前者はのちにブランドを設立する）。’70〜’80年代ともなれば、ディスコ風ファッションのような着こなしでプレーしたビヨン・ボルグや、色落ち加工が施されたショーツにブロックプリントのポロシャツが印象的なアンドレ・アガシらがもたらしたインパクトは相当だったと記憶する。〈Setinn〉のコレクションは、その当時のワクワクを現代に持ち込んだかのようだ。この春デビューしたばかりの新進気鋭だが、仕掛け人が某セレクトショップの現役バイヤーであり無類のテニス好きと聞くとがぜん興味が湧いてくる。この一着を見ればなおさらだ。珍しい太さの単糸で織られた天竺素材は、薄手ながら程よいハリやコシがあり、コットンならではの風合いが心地いい。着丈に対し身幅はややルーズなシルエットは今のシーンにちょうどよく、シーズン限定のグラフィックデザインにもグッとくる。この春夏、シーンのセンターコートに立つためのいい起爆剤となりそうだ。