今日もビショップ　RANRA　WRITER GABARDINE TAILORED BLAZER

「おもしろきこともなき世をおもしろく、すみなすものは心なりけり」。幕末の志士、高杉晋作の言葉だ（下の句はのちに他者が付け加えたものと言われている）。モノの見方、考え方は他者など関係なく結局のところ自分次第なのだ、との意味で一般的には伝えられている。また、「おもしろきこともなき世“に”」だったという説もある。となると、もっと自発的に面白くしてやろうという意志の強さが透けて見える。子供のうちは発見の連続で世の中は面白いと感じていたはず。ただ、大人になり世の道理を学んでくると途端につまらなくなる。そういうものと思い込むのは簡単だが、あらゆる常識の斜め上を行くアプローチが実に痛快な〈RANRA〉を知れば、つまらなくしているのは自分なのではという気になってくる。このブレザーなんていい例だ。起毛加工によりタッチは優しく、独自の二重染色工程を経ているゆえ色味は豊かで立体感がある。イタリア仕込みの仕立ても美しい。とはいえ、ウールでもリネンでもなく耐久性のあるワークウェアギャバジンを採用し、フロントには隠しスポーツジッパーも。その意表を突く仕掛けを秘めたトラッドなアイテムが、きっと日常を楽しくするに違いない。