今日もビショップ　Cristaseya　FRINGED MAO COLLAR SHIRT

世界各地にはその土地独自のドレスコードがある。例えば日本では、黒のスーツは冠婚葬祭の定番服とみなされ（欧米のフォーマル文化ではダークネイビー、チャコールグレーなど黒以外のダークカラースーツを着用するのが基本）、ハワイでは一部アロハシャツが許容される。以前の中国だと中山装がそれにあたるだろうか。デザインに関与したとされる孫文（中山とは孫文の号）の名を冠したそれは、中華人民共和国の成立後も毛沢東が継承。彼は自身の体型に合わせて改良した毛式中山装を作った。英語圏でいうマオスーツだ。そして、その襟型をマオカラーと呼んでいる。そのマオカラーを採用したこちらは、もはや〈Cristaseya〉の定番と言っていい。ナポリの伝統的テーラリング技術を受け継ぐシャツメーカー、〈Salvatore Piccolo〉の縫製により体へ優しく寄り添い、〈Cristaseya〉らしい上質な素材使いとさりげない遊び心も絶妙だ。本作は、軽量で滑らかなコットン生地を採用。マオカラーの襟部分をフリンジ仕様にしたリラックスフィットで、エレガンスとカジュアルの調和が見事にとれている。それゆえ、肩肘はらず袖を通すことが可能。美しさや着心地だけでなく、文化の風まで感じられる一着を、この春にぜひ。