今日もビショップ　COOHEM　SUKASHI TILDEN KNIT

プレパラトリースクールは、一流大学進学を目的に通う有償の名門教育機関である。プレッピーは、そこへ通う良家の子息の俗称。彼らのスタイルが’60年代に注目され、日本では’80年代に独自の進化を遂げたジャパニーズ・プレッピーなるスタイルが流行した。その代表的アイテムに数えられるのがニットベストである。裾などにラインがあしらわれたVネック型で、身頃にケーブル編みが施されたそれにはノスタルジーを感じる大人も少なくない。とはいえ、昔の西洋映画では「温室育ちのお坊ちゃん」的な、イヤミを込めた言い方に使われることもしばしば。歳を重ねた大人なら、やや二の足を踏みがちなところにこちらである。〈COOHEM〉の一着は、チルデンセーターにユニークな透かし編みを掛け合わせたところに同社のアイデンティティが透けて見える。ポリエステル混の糸ゆえ着心地は軽やかで、手洗いによる洗濯も可能。裾などに施したラインの配色や、ローゲージ編みのゆとりのあるシルエットからはモダンさすら感じられる。シャツの上から、Tシャツの上からと、これから長く活躍できるポテンシャルも秘める。これなら、いい歳した大人が袖を通してもきっと胸を張れるに違いない。