今日もビショップ　CHAMULA　ALPACA CHULIO HAT

日本とメキシコの結びつきは我々が思っている以上に深い。遡ること1888年、駐米公使兼駐メキシコ公使の陸奥宗光は日墨修好通称条約を締結する。日本にとっては実質アジア以外と結んだ初の平等条約であり、メキシコにとってはアジアの国で初めて締結した条約だ。以後、第二次世界大戦期を除き、両国の貿易関係や外交関係は継続されている。また、メキシコに魅了された日本人も多い。画家の北川民次、劇作家の佐野碩などはメキシコで各分野における文化運動を展開。黄熱病研究の先駆者、野口英世博士も現地では高く評価されている。そして、同地の伝統文化や民芸品から着想を得てアイテムに落とし込む〈CHAMULA〉のデザイナーYuki Matsuda氏もそのひとりだ。こちらのニットキャップなんてより分かりやすい。村々で飼われているメリノ種の羊の毛を手で梳き、手編みで仕上げた逸品。しかもその羊毛は高品質ゆえ肌触りが抜群で、使うほどに風合いが増していく。染めも手作業ゆえ色合いがどこかアイデリックで他と一線を画す要因に。パリやNYといった都市の先進的なアイテムを通してファッションの今を感じるのもいいが、こんなアイテムを通じて世界を知り、視野を広げるのも悪くない。