その道のプロである指南者とともに、
ビショップのスタッフが新しいコトに挑戦する
「日日新・にちにちあらた」。

気になる、やってみたい、
その一歩を踏み出すきっかけをお届けします。

今回の日日新は

vol.08

Skateboardスケートボード

世界大会で正式種目として採用されたことでも注目を集めたスケートボード。

今回は日本スケートボードシーンを牽引してきたパイオニアの一人である荒畑潤一さんに指南いただき、スケートボードの楽しさを体感してきました。

Instructor

プロスケーター

荒畑 潤一さん

スケートボード歴36年。18歳で全日本チャンピオン(AJSA)を獲得し、翌年にはスケートボードの本場アメリカへ渡米し武者修行を始める。その後も数々の大会に出場し優勝を飾る。現在はメディアでの解説やキッズスクールの開催など、スケートボードの普及活動に貢献しています。

Challenger

テラスモール湘南店

加藤 芽衣

中学はバレーボール、高校はチアダンス、大学ではダンスを経験。社会人になった今は、少し走っただけで次の日筋肉痛になるほど運動をしていません。スケートボードは、イケてるシティボーイがやっているのを横目に、カッコイイなぁと興味はありつつも恐れ多くて挑戦する機会がなかったのでチャレンジできるのが楽しみです!

Challenger

新宿ルミネ店

佐藤 甫

小学校から高校までサッカーをしていました。今は年に2・3回の緩いフットサルや、ランニング、ジムで筋トレなど、体型維持のための運動を心掛けています。スケートボードは独自のカルチャー色が強く、大人になってから始めるにはハードルが高い印象でしたが、ボードのカッコよさや競技自体にはとても興味があります。

interview

荒畑さんに聞く、
スケートボードのおもしろさ

世界大会でも
テレビの解説など、ひっぱりだこの荒畑さん。
スケートボード歴36年の今も、
スケートボードのことが大好きで、
四六時中スケートボードのことを考えているそう。
はじめに、そんな荒畑さんから
スケートボードのおもしろさを
教えていただきました。

目の前で見たオーリー

荒畑さんは何がきっかけでスケートボードを始めたんですか?
小5くらいのとき、光GENJIに憧れて、親にローラースケートを買ってもらったんです。ある日、近所の新しくできた公園で練習をしていたら、高校生くらいの人たちがスケートボードを持ってその公園に下見に来たんです。そしたらその中の1人が、目の前でバコーン!とオーリー(*1)したんですよ。それを見て、“かっこいい!” “俺はもうローラースケートじゃなくてスケボーをやろう!”って思って。それからその人たちが公園にスケートボードの台を持ってきて飛んだりするようになって、僕も混ぜてもらうようになりました。その先輩たちは今でも一緒に滑ってますよ。
そのオーリーは、子供心に強烈な光景だったんですね。それからずっとスケートボードのことが好きなんですか?
同じ熱量でずっと好きですね。それまで野球とかは全然上手くなれなくて。努力もあまりしてなかったので、面白くなかったんですよね。でもスケートボードに出会った瞬間、これだったら楽しいと思えるし、続ければ上手くなれる、サッカー上手いやつより上手くなれるじゃん!と思ったんです。僕は小6くらいでこれを生業にしたいと思いました。

12歳頃。スケートをはじめた公園で。

小6でスケートボードを
生業にすると決めた

小6のときに生業にしようと決めたんですか? すごく早いですね。
小6の卒業文集に「アメリカに移り住んでスケートボードしてお金を稼ぐ」って書きました。VANSで有名なキャバレロ(*2)は、アメリカにプール付きのでっかい家を持ってるって、先輩たちが教えてくれたんです。そんな話を聞いてたので、こういう生き方もあるんだ、アメリカに行ったらスケートボードで一生食っていけるんだって憧れて、そこから挑戦に繋がったんですよね。
人生で、その熱量をずっと持ち続けるってすごいことですよね。中学・高校といろんな誘惑があると思いますが、ブレなかったんですか?

スケートボードがずっと好きで、アメリカに行ってスケートボードでお金を稼ぐことが僕の夢だったので、全然ですね。アメリカに行くにも遠征費が必要なので、まずはどうのし上がるか、日本で活躍してスポンサーに貢献しなければと考えました。そして18歳のときに日本チャンピオンになって、それがきっかけでアメリカに行くという夢への第一歩が叶いました。

何回も言いますけど、やっぱり好きなんでしょうね。好きすぎて…今では解説者になっちゃってるし。頭の中にスケートボードしかない。ずっと、スケートボードするためにどう生きるかしか考えてないんです。

日本チャンピオン当初。

自分超えができる

スケートボードの、どういうところが一番好きですか?

自分ができない技とか、今日自分がやりたいと思っていた技ができたときが一番好きです。計画通りに事が進んで、「自分超えができた!スッキリした!」ってなるときとか。

それは、何かひとつの技でもいいし、例えば45歳の誕生日に「スマホのバッテリーが切れるまで45トリックやってみよう」とか、そうやって自分で課題を作ってやるのが好きなんです。無心でやって、2・3時間でできたら、「あー気持ちいい」って達成感になるしそれをインスタに載せてみんなが見て喜んでくれれば、更に達成感に繋がるし。今自分が超えられる課題を設定して、それを超えていくのが楽しいんです。毎日今日はあれやりたいなこれやりたいなって考えてます。

なんか…楽しそうですね!

めっちゃ楽しいですよ! 早朝1時間だけ公園に行って三脚たてて滑って、帰って朝飯食べたっていいしね。チャリンコで公園まで行ってひたすらスケートボードして、帰りに回転寿司とか寄るのも最高なんですよ。自分超えして、「やったな、俺」って(笑)。できなかった時は凹みますけどね。そういう時は次どうしようか、次いつやりにいこうかって考えてます。

今は50歳までに自分のビデオパートを作りたいので、同い年の友達といろんなところを旅して、撮り溜めてます。47都道府県のうち、行っていないのは残り3県になりました。

  • (*1)オーリー/スケートボードで板と一緒にジャンプするトリックのこと。
  • (*2)スティーブ・キャバレロ/1964年生まれ。アメリカの現役プロスケートボーダー。スケートトリック・キャバレリアルの生みの親。VANSが初めてシグネチャーモデルとしてリリースした人物。
1994年と2024年の荒畑さん。30年経って同じ技をしてみたそう。同じ技でも、探究は尽きない。

初心者には一見
ハードルが高そうなスポーツですが、
スケートボードを知り尽くした荒畑さんに、
初めてトライするにあたって、
気になることを聞いてみました。

Q&A

Q1何から始めたらいいか、わかりません!
A1ボードの種類はたくさんあります。身長や体型、どんなふうに楽しみたいかでボードもパーツも変わってきます。まずはスケートボードショップに行き、店員さんと相談して買うのがおすすめです!
(ネット通販もいいですが、自分の目で見て決めた方がいいと思います!)
Q240代でスケートボードを始めたいのですが、何かアドバイスはありますか?
A2とにかく無理をしないこと!大人は生活もあるし、いきなり転ぶとやっぱり痛いし凹むので、無理をせずに楽しんで欲しいです。レッスンを受けると全然違いますよ。転ばさないのが僕たちコーチの役目ですから。大人でも、ちゃんと手を繋いで教えてあげたら1時間半くらいで坂を下れるようになります。
Q3荒畑さんおすすめのスケートボードの楽しみ方を教えてください!
A3自分が頑張ってる動画を撮って編集したりするのはおすすめです。
あと、技ができたときに、みんなで「イェーイ!」ってなるのも楽しいです。はじめは入りにくいと思いますが、基本的にスケーターはスケーターを見かけたら挨拶する文化もありますし、今は大人のスクールも増えているので、スケーターと仲良くなって、滑ったあとに一緒にご飯食べたりするのも楽しいですよ。それが好きでスケートボードしてる人も多いと思います!

滑ってみよう

なにはともあれ滑ってみよう!
スケートボード初体験のふたりが、
荒畑さんに教わりながらパークを滑ってみました。

01.

プロテクターを
装備する

今回はヘルメットと肘・膝・手首の3点に装備。身長や体格に合ったものを選び、しっかり保護するのが大切です。

転倒しそうになったときは、手首を捻ったり大きな怪我をしないよう、膝・肘・手の順番で付くことをイメージしておきます。

02.

ボードを選ぶ

前述のQ&Aにもあったように、ボードの種類は様々。プロテクター同様、まずは身長や体格に合ったサイズで安定するものを選びましょう。

03.

ボードを
漕いでみよう

まず自分の利き足を確認し、スタンスを決めます。利き足はボードのテール(後側)に乗せて操作をするので、反対の足をボードのノーズ(前側)に乗せ、利き足で漕ぐ練習をします。初めは乗ることに慣れるのが大切です。

Point姿勢はアキレス腱体操をするイメージ

04.

バランス感覚を
身につける

両足を乗せ、壁に捕まってゆらゆらする練習。慣れてきたら腰を落として重心を低く保ちます。両足の位置はタイヤの上に置くと安定します。

Point足を閉じてしまうと、バランスが崩れるので危険!

05.

両足で乗ってみよう

03と04の動作を繋げ、ブレーキまでの一連を練習。ブレーキは、漕いだ方の足を地面に擦るようにしてスピードを落としていきます。障害物がないところを目掛けてまっすぐ進みます。

Pointスケートボードは、転ばなくなるまで反復練習が基本!

06.

ターン

つま先に体重をかけてお腹側にターンする練習。かかとに体重をかけて背中側にターンする練習。

Point腰を落として、目線は進行方向に。

07.

ノーズを浮かせる

壁に掴まり、ノーズ(前側)を浮かせる練習。テール(後側)はタイヤよりも少し外側に足を置き、ノーズをパタパタと浮かせます。

慣れてきたら手を離し、パタパタしながら回転する練習。腰を少し落として、バランスを掴むまで何度もトライ!

Pointバック回転は、肩の方に目線を落として回るのがコツ。

08.

“チックタック” にトライ

“チックタック” はノーズ(前側)を左右に振りながら前進するトリック。目線は足元に、07で練習した動作を使いながら、振り子のようにノーズを左右に振って進みます。

Pointテール(後側)の足を外側に置きすぎるとひっくり返るので注意。

おまけ

バンクにトライ

最後に、荒畑さんにサポートいただきながらバンク(斜面)にトライ。床を蹴って自力で進むのとは違い、少し角度が付くだけで体重で勝手に下っていくので、スピード感に慣れるまでは恐怖を感じます。

初めは体が後ろに持っていかれてバランスがうまく取れませんが、繰り返すうちに重心のコントロールができるようになります。

今回は少し傾斜が大きいバンクだったので、初心者の方は角度の緩いところで練習するのがおすすめです。

お疲れさまでした!

(スケータースタイルの握手)

体験を終えて

Challenger

テラスモール湘南店加藤 芽衣

最初は滑れるか少し不安と恐怖がありましたが、荒畑さんに重心のかけ方や足の位置など、重要な基礎をしっかり教えていただきコツをつかめたので、気が付くとめちゃくちゃ楽しい!に変わっていました。

最後に、荒畑さんにスケータースタイルの挨拶を教えていただいたのも印象的で嬉しかったです。

スケートボードに限らず、カルチャーで繋がる出会いって素敵だなと感じました!

Challenger

新宿ルミネ店佐藤 甫

ご指南してくださった荒畑さんやパークの方々がとても気持ちの良い方で自身が勝手に抱いていたスケートカルチャーへのハードルが払拭されました。

基礎から順序立てて丁寧にご指南いただき、気が付くと恐怖心を忘れ、調子に乗ってしまいそうになるほど乗ることが楽しくなっていました。

自身で乗って経験したことや荒畑さんに直接トリックの細かい説明を聞けたことで、今回の世界大会も以前の何倍も楽しんでみることができました!

Instructor

プロスケーター荒畑 潤一さん

お二人とも上達が早く、教えていて楽しかったです!

これを機にスケートボードを無理なく続けてもらえれば嬉しいですし、これからスケートボードを始めたい方々にも今回の記事がお役に立てたら幸いです!

美しく安定感のある荒畑さんのトリック。
プロ目線ではシンプルで
複雑な技ではないといいますが、
日々基本を磨き、
練習し続けている荒畑さんだからこそできる
美しいフォームであると
改めて感じさせられました。

ピボットフェイキー

オーリーフロントサイド
ボードスライド
オーリー

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