今日もビショップ　UNLIKELY　ASSEMBLED BLAZER

某セレクトショップにて長らくメンズカジュアル部門のディレクターを務め上げてきた中田慎介氏。彼が今年の春に独立を果たし設立した新ブランドは業界内でも話題となった。そう、〈UNLIKELY〉である。自身のルーツを辿る旅で行き着いたアメリカントラディショナルという終着点。同ブランドはそれを具現化した存在といっても差し支えないだろう。ブランドの“顔”として君臨するのはもちろんブレザー。そして「ASSEMBLED BLAZER」は、彼らしい天邪鬼でポップな解釈に満ちた逸品だ。ベースは同氏と生まれを同じくする1977年の古着。そこへ、年代の異なるブレザーのエッセンスを散りばめた。ポケットや後身頃の裾を見れば60年代の匂いを感じさせ、ラペルには70年代の空気が漂う。かと思えば、裏地はアウトドアスタイルを想起させるミニリップストップ生地のフルライニング仕様。いっそうのこだわりが感じられる表地は、梳毛糸を高密度で織り上げたギャバジン生地に特殊な加工を施しヴィンテージ感のあるドライタッチに仕上げた。それにより家庭用洗濯機で洗ってもさほど縮まず、経年劣化も生まれにくい。彼ならではの知見が生かされた一着。そこには“アメトラ”への愛と楽しさで溢れている。