今日もビショップ　ORCIVAL　PANEL BORDER SWEAT

転換思考という考え方がある。これまでの常識や当たり前だと思ってきたことを疑い直すことにより新たなアイデアを生み出すきっかけとすることだ。200年以上前、人や物を運ぶ手段は大半が馬車。そして当時、有識者たちの間で馬車に変わる新たな乗り物について議論されたそうだ。その際に出た結論が「筋骨隆々の良い馬」。すなわち、あくまでも乗り物は馬である前提にとらわれていたがゆえの結論だった。その後、蒸気機関車が発明され大きな転換期を迎えたことはいうまでもない。〈ORCIVAL〉の代表作であるパネルボーダーのバスクシャツ。きっと誰もがロンTタイプをイメージするかもしれないが、今回はストリート感のあるスウェットで仕上げた。とはいえ、スウェットならではの裏毛の生地ではない。細かい繊維を取り除き紡績したコーマ糸の中でも、ふっくらとした太番手の糸を使い14ゲージで編み立てた。それにより、まるでロンTのごとき気軽さで袖を通すことができる。それでいて、白基調からネイビーベースにしたことでどこか落ち着いた印象。思考の転換により本来の魅力を損なわずいつものアイテムに新鮮さが宿る。その重要性をぜひともこの一着で。