今日もビショップ　ORCIVAL　BIG RACHEL SAILOR T-SHIRT

日本では“バスクシャツ”で親しまれるセーラーT。発端は漁師たちの仕事着とも言われているが、1910〜’20年代にガブリエル・ココ・シャネルがジャージー素材を使いファッションアイテムへと変貌させ、アメリカ人画家、ジェラルド・マーフィーがバカンス服として取り入れたことで、以後、急速に一般層へと広まった。かくして、今では誰もが愛用する大定番となっていることは周知の通り。特に『ORCIVAL』の名作、RACHELはよく知るところだろう。フランス国内でも数台しかないラッセル編み機で織り上げた生地は、丈夫で通気性がよく、独特なハリ感がドライなタッチとそこはかとなく端正さも醸す。それもあってかバスクシャツとくれば、均等に配された同ピッチのボーダー柄やホワイト×ブルーの配色が思い浮かぶ。夏の清々しい青空と、燦々と降り注ぐ太陽に映える姿を想像してしまうのだ。ただ、ブラウンやネイビーの濃色カラーとクリーミーなボーダーを纏ったこちらは、どちらかというと乾いた秋空と街を彩る色づいた街路樹によく馴染む。いつもと違うランダムピッチのボーダーは、アウター内に新しい風をもたらすだろう。爽やかさこそ控えめな一着だが、その落ち着いた佇まいもまたいいものだ。