今日もビショップ　Marbot　MOCCASIN SHOES（EXCLUSIVE）

時の流れはかくも残酷だ。トレンドの移ろいが激しいファッションシーンにおいては、それをより痛感させられる。毎シーズン、新ブランドが産声をあげる一方で、やむなく歴史に幕を閉じるブランドも。100年以上の歴史を誇るフランスのシューメーカー、〈Marbot〉も同様だ。かつてフランス軍に納入し、高級メゾンの生産も手掛けてきた実力派は、21世紀に入り消滅を余儀なくされてしまう。それが一昨年、日本屈指のシューズデザイナーである竹ヶ原敏之介氏ディレクションのもと見事に復活を遂げたのだ。復活劇でよく目の当たりにするのが、マーケティング偏重ゆえに起こりうるブランドの形骸化。しかし、こちらにその影は微塵も感じられない。やはり、同氏がかねてより愛用し魅力を存分に理解しているがゆえだろう。トゥのボリュームを控えたラストを起用し、ソールには屈曲性とグリップ力に優れた＜Vibram®＞社製の“CHRISTY CUT”を使った新型にもその想いは存分に汲み取れる。今回はその一足にグレーの中間色で別注。マイルドにしてシックな色味はインラインの黒よりどこか寛容で、ブラウン系よりちょっぴりモダン。絶妙な色味はあらゆるスタイルの足元に馴染み、新鮮さをもたらしてくれる。