今日もビショップ　Cristaseya　PLEATED TROUSERS

ジーンズがまさかこれほどファッションと蜜月な関係を築くとは。おそらく、ゴールドラッシュに沸いた19世紀半ば以降から、“仕事着”として身につけていた鉱山労働者たちはつゆほども思わなかっただろう。それはやはり、数々のデザイナーたちの功績によるところが大きい。クレア・マッカーデルが女性たちの間にデニムを浸透させ、’70年代にプレタポルテコレクションへデニム素材を採用したイヴ・サンローランは同生地をこよなく愛していたことでも知られる。デニムの価値を高めたという点においてはカルバン・クラインもひと役買ったひとり。〈Cristaseya〉もおそらくその脈絡。もはや代名詞といわれる「PLEATED TROUSERS」は、フロントにプリーツタックを加えセンタープレスを施した美しい一本。デニムらしからぬ品をその身に湛え、ほんのりブルーが残る褪せた色合いも絶妙である。もちろん、繊細なステッチワークやレザーパッチ、大きめの水牛ボタンと、美しさを際立たせる数々の意匠も見どころ。シルエットはやや太めだが、単なるワイドパンツにならないよう、腰回りから膝下にかけてかすかにテーパードさせた配慮も真骨頂だ。この一本が、我々とデニムとの距離をいっそう縮めてくれる。