今日もビショップ　CASEY CASEY　APRIL SHIRT & DENMARK SHORT

画家が絵を描き始める際、最初に考える要素のひとつが構図だ。見る人の視線が全体に行き渡るよう誘導し、絵を興味深いものにするための重要なステップである。古代ギリシャ人は、黄金比率とされる辺の長さの比が1：1.618で構成された長方形を使用したとされる。それにより求心力のある焦点をもった、バランスのとれた収まりのいい構図を作ることができるのだとか。画家としての経歴もある〈CASEY CASEY〉のデザイナー、Gareth Casey。彼が服作りにそれを採用しているかは定かではないが、生み出すアイテムの大半にバランスの良さを感じさせる。こちらのシャツもそう。素材には、糸をきつく織り上げることで紙のような触感を演出したペーパーコットンを採用。ブランド独自の洗い加工を施し優しい着心地に仕上げ、今の空気に寄り添う大きめシルエットで製作した。それもあってアウターとしても、重ね着の一部としても機能する絶妙なサイズ感。袖を通した際にダブつかず、モタつかないそのバランス感は、着る人、見る人の心を掴んで離さない。それはまさしく、現代の街着におけるベストな黄金比。同様の生地を用いて作ったショーツとセットアップで着用すれば、それをより実感するに違いない。