今日もビショップ　BIRKENSTOCK　LONDON

言わずと知れたドイツのシューズブランド、〈BIRKENSTOCK〉。今なお“自然から遠ざかった人の身体を自然な状態に開放する”との健康概念に基づいてアイテムを作り続ける老舗である。代表作といえば、トゥ全体を覆ったサンダルの「Boston」だろうか。2本のストラップで甲部をホールドする「Arizona」を挙げる人も少なくないだろう。ただ今季は、ヒールのある「London」を是非とも試していただきたい。シームレスのシンプルなルックスはデニムからスラックスまで許容範囲。伝統のフットベッドは健在で、柔らかなスウェードやEVA素材のアウトソールが絶妙な履き心地と安定感をもたらしてくれる。ただこの三者、実は各々で意外な接点がある。「London」のベースとなっているのは「Boston」で、その「Boston」とそれより前に誕生した「Arizona」はブランドの成長に大いに貢献してきた２足だ。その「Arizona」はとある顧客の一人だった女性がアメリカに持ち込み、ヒッピー文化と結びつきながら空前のブームを記録。その持ち込まれた時の名が「London」なのである。当時は複雑かつ長いドイツ語表記ゆえ、インパクトのある英語名として「Arizona」を採用したのだとか。そんな背景を通してアイテムを見るのも面白いかもしれない。