10 THINGS TO KNOW orSlow

(前編)orSlowを知る10のコト

インタビューや対話を通じて、Bshopで展開しているブランドの魅力を改めてお届けするコンテンツ〈Bshop BRAND NOTE〉。

今回は、長きに渡り展開し続けているブランド〈orSlow〉に注目。

デザイナー仲津さんから語られる10個のキーワードを通して、ものづくりに対する情熱や、ブランド・ライフスタイルへのこだわり、などを読み解いていきたいと思います。

ものづくりが大好きで、ジーンズをこよなく愛する仲津さん。前編では仲津さんがブランドビジネスを始めた経緯や、阪神間の閑静な住宅街にあるオフィスへのこだわりなどに迫ります。

今回お話を伺ったのは…

orSlow | DESIGNER

仲津 一郎ICHIRO NAKATSU

岡山県倉敷市児島のジーンズメーカーで企画として働いた後、独立。2005年にorSlowを立ち上げる。

01自分でジーンズを作る!

仲津:

自分は、とにかく「ものづくり」が大好きで。なかでもジーンズに魅力を感じ、自分でジーンズを作れるようになりたいという強い想いから、岡山県倉敷市にあるジーンズメーカーで働きはじめました。ジーンズが出来上がるまでの工程を自分の目で見ながら、工場の人たちからミシンの使い方などを教えていただき、学んでいきました。

2004年頃から自社ブランドの開発をイメージするようになり、2005年にorSlowを立ち上げました。はじめの数年はジーンズ専用の工業用ミシンを数台揃え、サンプルをすべて自分で縫製していました。

自らサンプルを縫製するのに使用していた年代物の工業用ミシン

02古きものに想いを馳せ、
新しい完成形を模索する

仲津:

ブランドを続けるうえで大事にしていることは、orSlowらしさを表現すること。orSlowの核となる定番品を作り続けること。品質とオリジナリティーがとても重要だと考えています。

1900年初頭の手づくりと機械化の過渡期に誕生したジーンズは、その後、5ポケットの完成形となりました。当時のミシンを扱う職人の手から作り出されるプロダクトには、オートメーション化された生産ラインからは決して生まれない人のぬくもりが感じられ、それが個性にもなっています。

また自分は、ジーンズの今後のトレンドや進化にもすごく興味があります。

古きものに想いを馳せ、敬意を表しながら、昨今の時代性に合わせた、新しい完成形を模索していくことがorSlowのものづくりのベースです。

1900年初頭のヴィンテージデニムを手にとり、当時の時代背景などを読み解いていく

03ヴィンテージを
現代に落とし込む

仲津:

一つのジーンズを、ヴィンテージと同じような色落ちの経年変化を再現しようとすると、生地からオリジナルのもので作らないと、理想のものにはなりません。そこでorSlowでは、当時の洗っていない状態のデッドストックのデニムを糸から分析し、生地の開発をして色落ちの再現性を目指しています。

自分は50年代のリーバイス501が大好きですが、それを量産するとなると、マニアック過ぎてしまうと考えていて。比較的くせのないシルエットで色落ちも縦スジが長すぎない60年代前半の501を、orSlow定番モデル『105』のベースにしています。いい意味で『ふつう』で大衆に受け入れやすいシルエットながら、程よいヴィンテージ感も味わえるモデルだと思います。

ワンウォッシュから履き込んで色落ちしたorSlow定番ジーンズ『105』

岡山県井原市の工場で織られるオリジナルのデニム生地

04目標を立てて行動する

仲津:

自分の人生の節目のタイミングで、必ず目標を立てて行動するように心がけています。

例えば、

・会社に就職した時は、自分のブランドを立ち上げたいという目標。

・ブランドを立ち上げた時は、国内である程度売れるブランドにしたいという目標。

・国内での想定していた売り上げ目標をクリアして、次は海外で売れて広く展開したいという目標。

そうやって、一つの目標を常に立てて、それに向かって進んでいき、達成したら次の目標にいくという事を意識しながら、日々取り組んでいます。

最近、次の目標を何にするか立てられなくなったタイミングがあったんですが、そういう時は自分の中のバランスが崩れたように感じました。自分にとって、“目標を立てる”という事はとても大事だと改めて再認識しています。

05細部まで徹底的にこだわる

仲津:

より良いものづくりをするために今のオフィスを作りました。

等間隔に配置された窓のデザインや清潔感など、構想を練りに練って空間にしました。

ショールームとアトリエの壁は、コンクリートで木目を表現しています。通常ツルっとした天板側の面にコンクリートを流すところを、木目のある反対側の面にコンクリートを流し込んで、独特の表情を出しました。実は、この型取りに使ったパネルも自分で一枚一枚選びました(笑)

ヨーロッパの建物を参考にデザインした、整然と並ぶ縦長の窓

表情の異なる木目がどこかぬくもりを感じさせるコンクリート壁

後編では、仲津さんご自身のルーティーンや、パーソナルな部分に迫ります!

orSlow

Originalityのある服を吟味し、ものづくりする。

19〜20世紀に誕生したワーク・ミリタリーから派生する「スタンダードで、現代もファッションとして愛される服」からインスピレーションを受け、slowに自身のフィルターを通してデザイン。手から生み出されるぬくもりを大切に、細部に至るまでこだわったクオリティーの高いものづくりを行う。

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