人と関づか

自分の目が届く距離感でものをつくる意味

小坂田 裕美 HIROMI OSAKADA

SO / OBJECTS デザイナー

自分の目が届く距離感でものをつくる意味

小坂田 裕美
HIROMI OSAKADA

SO / OBJECTS デザイナー

サステナブルなものづくり─。
それがどのようなものであれ、
2020年代のつくり手たちが
避けては通れない社会課題です。



その課題に真摯に向き合う
ジュエリーデザイナーの
小坂田裕美さんと関づかの履物、
そしてデザイナーと職人を
何が結びつけるのでしょうか。



「つくることが好き」と語る
小坂田さんを魅了するのは、
プロダクトそのものだけでなく
つくられる背景にもありました。

2020年代の
「マンションメーカー」

かつて、1980年代のアパレル業界を席巻した「マンションメーカー」。文字通り、大きなオフィスではなく小さなマンションの一室という規模感で数名のスタッフと創作・営業活動するブランドのこと。

そのアティテュードは、自らからが介在しない不可抗力に左右されることなく、「つくることが好き」ということ邁進できる環境づくりということに集約されるのかもしれません。

つくることが好き─。このものづくりの初期衝動を携えながら、2018年に小坂田裕美さんが始動させたジュエリーブランド「SO / OBJECTS」も、まさに2020年代の「マンションメーカー」と言ってもいいでしょう。

ものづくりの原点を知る北欧留学
ジュエリーデザイナーの小坂田さんのキャリアのスタートは、服飾の現場でした。

しかし、小坂田さんが目にしたものづくりの現場では、一つのプロダクトに何人もの人たちが関わり、デザインや生産を分業で行なうものでした。また、ビジネスに軸足を置いたいわゆるマスプロダクトであるがゆえに、自分たちの活動そのものが環境に悪影響を及ぼしていることに疑問に感じていました。自分の目に見えないことが多すぎたのです。

もちろん、ものづくりにおいて、多彩なメンバーが集まりコラボレーションすることも、醍醐味ではあります。しかし、小坂田さんにとって、「自分の目が届く距離感のなかで、手を動かしながらつくるほうが、私の性に合っていると感じるんです」と話します。

そこで、マスプロダクトのものづくりの世界から一旦距離を置き、自分が理想とするものづくりとはどういうこと/ものなのかを模索するために、ジュエリーブランドやアートブックを専門に扱う書店で働き、海外へ留学しました。

留学先に選んだのは、デンマークの民間学校「フォルケホイスコーレ」。フォルケホイスコーレは、試験や成績評価が一切なく、知的好奇心を満たす場となる北欧独自の教育機関でした。 小坂田さんは、ここで陶芸やパーマカルチャーを学び、帰国します。

そして、留学前から学びつつ、活動していたSO / OBJECTSでの創作活動を本格化させます。

ものづくりの“先生”
そうした独自のスタンスでものづくりと向き合う小坂田さんにとって、関づかの履物やつくり手である関塚さんは、どのような存在なのかを尋ねてみました。

関塚さんとの出会いは、2020年の秋。以来、ずっと履いてみたいと思っていたところに、自分にちょうどいいデザインの履物がBshopとのコラボレーションで展開され、念願が叶いました。関づかの履物はTPOを問わず履けるのが魅力だと、小坂田さんは言います。

「脱ぎ履きが楽なものを選ぶと、どうしてもスポーティなものになりがちで、カジュアルなシチュエーションではよくても、かしこまった場に履いていくことができないのがネックです。でも、関づかの履物は、それらを満たしてくれる履物なんですよね。それでいてEVAソールで歩きやすいですし」(笑)

一方で、関づかの履物を「高嶺の花(笑)」とも話す小坂田さん。鼻緒の生成りに合わせて、くるぶしが隠れるかどうかの丈感の白いパンツに合わせるのが、お気に入りのコーディネートとのこと。

ものづくりの“先生”
そうした独自のスタンスでものづくりと向き合う小坂田さんにとって、関づかの履物やつくり手である関塚さんは、どのような存在なのかを尋ねてみました。

関塚さんとの出会いは、2020年の秋。以来、ずっと履いてみたいと思っていたところに、自分にちょうどいいデザインの履物がBshopとのコラボレーションで展開され、念願が叶いました。関づかの履物はTPOを問わず履けるのが魅力だと、小坂田さんは言います。

「脱ぎ履きが楽なものを選ぶと、どうしてもスポーティなものになりがちで、カジュアルなシチュエーションではよくても、かしこまった場に履いていくことができないのがネックです。でも、関づかの履物は、それらを満たしてくれる履物なんですよね。それでいてEVAソールで歩きやすいですし」(笑)

「つくり手の関塚さんは、私の“先生”でもあるんです。美意識はもちろん、オーダーを受け、材料を仕入れ、履物をつくり上げるところまで一人でされているお仕事は、私が理想とするところでもあります」

マスプロダクトのものづくりから距離を置き、自ら手を動かし、自分の目が届く距離感を保ちながらプロダクトづくりに邁進する二人だからこそ見える、届いてほしい人に届けるものづくりの地平があるのかもしれません。
PROFILE
アパレルニットメーカーでキャリアをスタート。ビジネス主導のマスプロダクトがもたらす生産/消費活動による環境への影響に疑問を感じ、退職する。ジュエリーブランド「SIRI SIRI」、アートブックショップ「POST」での勤務を経て、ジュエリーブランド「SO / OBJECTS」を立ち上げる。2019年より1年間デンマークのフォルケホイスコーレに留学。帰国後、20年よりSO / OBJECTS」を本格始動。

SO / OBJECTS https://www.soobjects.com/
一方で、関づかの履物を「高嶺の花(笑)」とも話す小坂田さん。鼻緒の生成りに合わせて、くるぶしが隠れるかどうかの丈感の白いパンツに合わせるのが、お気に入りのコーディネートとのこと。

「つくり手の関塚さんは、私の“先生”でもあるんです。美意識はもちろん、オーダーを受け、材料を仕入れ、履物をつくり上げるところまで一人でされているお仕事は、私が理想とするところでもあります」

マスプロダクトのものづくりから距離を置き、自ら手を動かし、自分の目が届く距離感を保ちながらプロダクトづくりに邁進する二人だからこそ見える、届いてほしい人に届けるものづくりの地平があるのかもしれません。
PROFILE
アパレルニットメーカーでキャリアをスタート。ビジネス主導のマスプロダクトがもたらす生産/消費活動による環境への影響に疑問を感じ、退職する。ジュエリーブランド「SIRI SIRI」、アートブックショップ「POST」での勤務を経て、ジュエリーブランド「SO / OBJECTS」を立ち上げる。2019年より1年間デンマークのフォルケホイスコーレに留学。帰国後、20年よりSO / OBJECTS」を本格始動。

SO / OBJECTS https://www.soobjects.com/

<小坂田さんの履物>

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