ODAMIFeatured New Brand in 2025 Spring / Summer

今シーズンからビショップでの
取り扱いがスタートした〈ODAMI〉。

北イタリアで一番美しい街と言われる
ベルガモに本拠を構えるブランドです。

生地の声に耳を澄ませることから
創作を始めると言う、デザイナー・Marinellaさん。

独学で辿り着いたのは、
マネキンの上で衣服を「彫刻」するように、

自分の奥深くにある感情や感覚を表現する
というスタイルでした。

スケッチをせず、マネキンに生地を纏わせて
自然のままの生地の落ち方に身を委ねることで
生まれるのは、
予定調和を超えた、
遊び心あふれるデザイン。

ビショップで取り扱うコレクションと、
Marinellaさんへのインタビューをご紹介します。

〈  展開店舗  〉

神戸本店/グランフロント大阪店/名古屋ラシック店
有楽町ルミネ店/新宿ルミネ店/吉祥寺店/札幌ステラプレイス店

FLOWER TOP

¥46,200( tax included )

ロマンティックな小さな花柄生地のノースリーブトップス。長いリボンが空間に遊び心のあるラインを生み、シンプルな形に奥行きと遊び心を添えています。

FLOWER SKIRT

¥60,500( tax included )

ODAMIの立ち上げ当初からあるモデルのスカート。リボンによって花びらのように広がるシルエットと小花柄の生地が調和する、上品な一枚。

FLOWER LONG DRESS

¥93,500( tax included )

グラフィカルな黒色のゴムと小花柄の生地とのコントラストが美しい一着。エレガントにも、遊び心ある着こなしにもできる、洗練されたアシンメトリードレスです。

SIDE BELT TOP

¥70,400( tax included )

サイドのベルトと裾のテープの使い方次第で、多様な着こなしを楽しめるノースリーブトップス。和紙とコットンのミックス素材で作られています。

SIDE POCKETS SKIRT

¥88,000( tax included )

ロマンティックな雰囲気をまといつつも、すっきりと洗練された印象のスカート。膝上の小さなポケットが、程よいアクセントを添えています。

WAIST RIBBON SKIRT

¥75,900( tax included )

優しくウエストを包み込む、直線的なシルエットのスカート。軽やかに広がるフォルムと“夢のような”リボンのディテールが遊び心を添えます。

RIBBON GATHER TOP

¥40,700( tax included )

シンプルな装いを彩る、アクセサリーのようなトップス。ギャザーで花のように広がるシルエットが、詩的でやわらかな印象を与えます。

APRON DRESS

¥81,400( tax included )

アトリエでの日常を象徴するエプロン。創造という行為に飛び込むためのエプロンを、〈ODAMI〉では全てのコレクションで作っています。

Designer Interview

〈ODAMI〉の創立者であり、
デザイナーでもあるMarinella Tascaさんに、
ブランド誕生の背景やそこに込められた哲学について
お話を伺いました。

Q1〈ODAMI〉はどんなブランドですか?
〈ODAMI〉は、2015年に今は亡き夫とともに立ち上げたブランドです。幾何学的で合理的、そしてどこか軽やかなデザインには、私たち家族の在り方やライフスタイルが色濃く反映されています。
このブランドは、単なる私個人のものではありません。〈ODAMI〉には、私の日常や、私が見ている世界がそのまま映し出されています。だからこそ、私の服を身にまとっていただくことで、お客さまにも〈ODAMI〉という“メガネ”をかけていただき、そのレンズ越しに、私が感じていることや、世界の見え方を少しでも共有していただけたらと願っています。
Q2Marinellaさんが服を作り始めたきっかけを教えてください
私はイタリアのベルガモで生まれ、学生時代には会計学と教育学を学びました。私にとって服作りは、一つの“教育”のかたちだと考えています。服を作る過程を通じて、環境問題や生産の背景について学ぶことができます。そして、それは世界や人々をほんの少しでも美しくできたら…なんてそんな思いも込めています。
本当は美術学校で学びたかった——けれどその夢は、母の反対により叶わず、静かに胸の奥にしまい込みました。そんなある日、偶然が導くように服作りと出会いました。始まりは、母の古いミシン。自分の服をリメイクするところからの、小さな一歩でした。やがて、自ら型紙を引くようになり、夜な夜な仕立屋に通っては、ひと針ずつ、技を手にしていきました。
布に触れているとき、私はふと、自分の内側と深くつながっていることに気づきます。周囲の音がすっと消え、時の流れが静かに止まるような感覚。そしてその静けさの中で、心がふわりと満たされていくのです。それは言葉ではとても言い表せない、本能に近い「解放」。内側に秘めた熱や緊張感が、自然とかたちを求めて外へと溢れ出す——そんな衝動に、私は突き動かされるのです。
私は絵を描くことはできません。でも、マネキンの上で「衣服を彫刻する」ことで、ようやく自分の奥深くにあるものを、そっと世界へ差し出せるようになりました。
Q3革新的なパターンや遊び心のあるアイテムが多い〈ODAMI〉ですが、インスピレーションはどんなところから得ていますか?
私がインスピレーションを受けるのは、日々を包み込む自然や建築、空、アート、音楽、花、そしてふとした“かたち”たちです。
ここに並ぶ写真は、すべて私自身の手で切り取った風景。私がどんな世界を見て、どんな瞬間に心を動かされているのか——少しでも感じ取っていただけたらうれしいです。
〈ODAMI〉は私のブランドであると同時に、私の日常そのものでもあります。
もし言葉で〈ODAMI〉を表すとしたら——
遊び心 Playful、
調和のとれた Balanced、
自由に変化する Versatile、
ちょっとした驚きに満ちた Unexpected、
そして、誰もを迎え入れる Inclusive。
そんなエッセンスが〈ODAMI〉の中には詰まっています。
Q4どうやって形を考えていますか?こだわりやルールはありますか?
私の創作は、まず布に触れることから始まります。手に取って、質感や重さを感じると、不思議とアイデアが浮かび始めるんです。そこからは、スケッチを描かずに、マネキンに直接布を当てていきます。生地が自然にどう落ちるのかに任せることで、自分でも思っていなかった形が生まれる。それは、まるで身にまとう“花びら”のような、やわらかくて動きのあるフォルムになります。
私は創作に決まったルールを設けていません。むしろ、流れに身をまかせている感覚に近いです。専門的な美術の教育も受けていないし、絵を描くことも得意ではありません。でも、それがかえって自由さにつながっていると感じています。ルールを知らないからこそ、それに縛られず、枠を越えることができる。だから、私はいつも前に進んでいけるのです。
そんな私が守っている、たったひとつのルールがあります。それは、「自分が好きなことだけをすること」、「自分が着たいと思うものだけをつくること」。これは社会に向けたメッセージというより、自分自身への正直な気持ちから生まれるものです。
「私はここにいる。これが私。私の感じていることを、少しでも感じてみてください」——そんな思いを込めた表現は、きっと少しずつ、外の世界へも広がっていくのだと思っています。
Q5ベルガモはMarinellaさんにとってどんなところですか?
ベルガモは、私にとって厳しさと誠実さを併せ持つ場所です。夫も私もこの街で生まれ育ち、絵を描いたり、スケートをしたり、ダンスをしたりしながら、夢中で青春時代を過ごしました。そしてこの街で出会い、深く愛し合い、人生をともに歩み始めたのです。
ベルガモは確かに美しい街。でも、その美しさはまるでポストカードのように整っていて、私たちにとってはどこか小さくて、静かすぎる場所でもありました。だからこそ、私たちは自分たちで新しい表現を生み出したくなったのかもしれません。そうして、ふたりで服づくりを始めたのです。
Q6生産や生地へのこだわりを教えてください
〈ODAMI〉の製品はすべて、イタリア・ベルガモで作られています。工業用機械を使うことなく、選ばれたテーラーや仕立て工房の手によって、ミシンと手作業で丁寧に仕上げられています。クラフトマンシップとサステナビリティを大切にしたものづくりが特徴です。
使用する生地はすべて、イタリア産または日本産。イタリアは、私にとって文化であり、揺りかごであり、背景であり、歴史そのものです。その美しさは無限で、深く豊かなものです。そして、日本は遠く離れているのに、なぜか強く心がつながっている場所。エレガントで繊細な所作に満ち、想像力を刺激する世界です。
私たちが選ぶ生地には、このふたつの魂が息づいています。美しさへのこだわり、職人による確かな技術、日本のプリントに見られる調和と繊細さ。それらがひとつに重なり合い、〈ODAMI〉だけの独自の世界観を生み出しています。

〈ODAMI〉は、私自身の歩みを反映したものです。自分が感じ、考え、愛してきたすべてのものが形になったとき、それがどこかで誰かと繋がる瞬間が、私にとって最も美しい瞬間です。