ERP. × Bshop Interview | ベルト好きのダイアローグ

Belt Lovers’ DialogueBelt Lovers’ Dialogue

最近はベルトを着けない人が増えているそうです。
ただ、着こなしにおいて、いつの時代もベルトは邪険にできない存在であることも確か。
そんな今、セレクトするべきベルトとは?

その答えは、ベルト好きがタッグを組んで実現した別注にあった。
〈ERP.〉ディレクター細野貴文さんと「ビショップ」バイヤー山本 慎に、
別注へのこだわりから誕生秘話まで熱く語ってもらいました。

Profile

細野貴文さんのプロフィール画像

ERP.

細野 貴文 Takafumi Hosono

独学で革を学び、職人の道へ。「ロザリアプロダクト」はヴィンテージウォッチの時計ベルトの製造から始まり、現在はヴィンテージバックルを使ったベルトも手がける。2023年には工程の一部をオートメーション化した「ERP.」もスタート。元看護師。

山本 慎さんのプロフィール画像

Bshop

山本 慎 Makoto Yamamoto

大手セレクトショップのバイヤーを経て、2021年に「ビショップ」に入社。仕入れ企画の担当として国内外を飛び回り、現場を率いる。自社のコンセプトに沿ったベーシックさや、アイテムの背景を重視した物選びが身上。

独学とは思えない細野さんの職人技に惚れた独学とは思えない
細野さんの職人技に惚れた

今回はベルトについていろいろお聞きしたいのですが、まずは二人の出会いについて教えてください。

細野

確か、ヴィンテージバックルのベルトを山本さんに仕入れていただいたのがきっかけだったかと。

山本

そうでしたね。本当はこの間にもう一人いて、その方がヴィンテージバックルを集め、細野さんはベルト部分を作るという企画から始まりました。当時はそういったプロダクトがなかったので珍しくて話をしていたら、細野さんは独学で革小物を作っていると聞いて驚いたんですよね。独学とは思えないほど、仕上がりが本当にキレイだったので。

独学とは驚きです! そうなると細野さんの経歴が非常に気になります。革小物の作りを学ぶ学校にも行っていないんですか?

細野

じつは元看護師なんです。東京に出る条件として、親に看護師の資格を取るならいいと言われて、革の学校ではなく、看護学校に行っていました。

革を学ぶきっかけは?

細野

看護学校時代にアウトドアブランドでアルバイトをしていましたが、そこのオーナーがすごく変わった人だったんです。元々はお肉屋さんだったそうですが、当時はオーナーをしながら、様々なものづくりをきちんと学んでブランドも手掛けていました。そんなオーナーに刺激を受けて、自分にも何かできると錯覚したほど(笑)。今思えば、私が革を始めたのは店長がきっかけだったのかもしれませんね。

ちなみに看護師はいつまでやっていたのですか?

細野

採血だけは得意の看護師だったんですが(笑)、続けていくうちに楽しくなって、4、5年前までやっていました。2016年くらいからファッションアパレルの受注を受けるようになったらどんどん忙しくなり、今の仕事一本にシフトした感じになりますね。

山本

細野さんのブランド〈ロザリア プロダクト〉は、ビショップ神戸本店2Fにある「アバウト」で取り扱っているのですが、その完成度の高さに本当に驚かされます。革小物の中で一番難しいと言われている、時計のベルトを手掛けているだけあります。

革小物の中で、一番時計のベルトが難しいんですか?

細野

これはヴィンテージバックルもそうなんですが、ヴィンテージ時計は一点一点で幅と厚みを変えなくてはなりません。特に時計のベルトは1mmずれると入らなくなるんですよね。財布だと1mmは誤差ですが、時計だと致命傷になる。また、時計のベルトができれば、他のアイテムはなんでも作れると言われているんです。ちなみに時計のベルトは2015年、ベルトは2020年からスタートしました。

時計のベルトがそこまで難しいとは知りませんでした。細野さんの手先の器用さは、きっと看護士時代に磨かれたんですね。ところでお二人は、大のベルト好きでもあるとお聞きしました。

山本

バイヤーという職業柄、海外に行く機会が多いのですが、その際に凝ったベルトと出合うことが多くて、ついつい熱心に見てしまうんです。これだったらベルトメインでコーディネートできるとか。そうこうしているうちにベルトの魅力に惹き込まれていった感じですね。

細野

私がベルトを好きなのは、職人としての意味合いが強いです。やっぱり作りが気になってしまうんですよね。どうやって作っているんだろうという目線でベルトは見ています。

山本

細野さんのベルトコレクションを見ていればわかりますよね。ちょっと変わったデザインや作りのモノが多いですから(笑)。

#01

ベルト製作の参考となる多種多様なベルトのアーカイブ

ベルト製作の参考となる多種多様なベルトのアーカイブ

#02

メゾンブランドにより過去に作られたハンドペイントで描かれたベルトのアーカイブ

メゾンブランドにより過去に作られたハンドペイントで描かれたベルトのアーカイブ

#03

知人のエングレーバーに依頼し、オリジナルバックルにブランドネームを手彫りしてもらったベルト

知人のエングレーバーに依頼し、オリジナルバックルにブランドネームを手彫りしてもらったベルト

#04

トゥアレグ出身の職人さんに、手彫りで柄を入れていただいているオリジナルのリングベルト

トゥアレグ出身の職人さんに、手彫りで柄を入れていただいているオリジナルのリングベルト

#01
ベルト製作の参考となる多種多様なベルトのアーカイブ
メゾンブランドにより過去に作られたハンドペイントで描かれたベルトのアーカイブ
知人のエングレーバーに依頼し、オリジナルバックルにブランドネームを手彫りしてもらったベルト
トゥアレグ出身の職人さんに、手彫りで柄を入れていただいているオリジナルのリングベルト

ベルト製作の参考となる多種多様なベルトのアーカイブ

ベルトレスの時代に提案するのは、日常の道具としてのベルトベルトレスの時代に提案するのは、
日常の道具としてのベルト

ところで、今はベルトが売れないともお聞きします。バイヤーという目線で、山本さんはどう感じていますか?

山本

ベルトが売れていない一番の理由は、ベルトレスでも穿けるイージーパンツが流行っているからだと思います。実際にベルトのセクションは縮小している感じはありますし、10年くらい前は需要があったのでよく見かけたのですが、今ではスーツを取り扱うイギリスの紳士的なお店くらいでしょうか。ベルトに対する価値観が、かなり薄れてきているとは感じています。

そんな時代に、なぜベルトだったんでしょう。

山本

ベルトレスの時代に、あえてベルトをしっかり着けるという感覚はいいと思いました。ただ、それは宝飾品に近い感覚で取り入れるベルトではない。「ビショップ」のフィルターを通した、日常の道具として生活に馴染むベルトを改めて提案したかったんですよね。そうなるとお願いするのは、絶対に細野さんだなって。

別注の話を聞いたときの率直な感想は?

細野

そもそも〈ロザリアプロダクト〉では、一点モノのベルトをハンドメイドで製作してきました。お客様には満足していただいていたのですが、材料費の高騰なども影響してどうしても価格が高くなってしまう。でも、もっと幅広い方たちに私のベルトを発信したいとずっと思っていました。そして一部の工程をオートメーション化した〈ERP.(Edition of Rosaria Product.)〉をスタートさせたんです。そのタイミングで「ビショップの山本さんに見てもらったほうがいい! 」と先輩たちに言われていて。山本さんに連絡しなきゃと思っていた数日後、この別注の連絡をいただいたので、「こんなことがあるんだ! 」とびっくりしました(笑)。

すごい! シンクロニシティですね。ちなみに今回の別注で、共有したテーマや方向性はありましたか?

山本

〈ロザリアプロダクト〉で展開しているイニシャルバックルのベルトは、絶対にやりたいというのはありましたね。なかでもヴィンテージのイニシャルバックルの雰囲気を踏襲したいというのは、話す前からお互いがイメージしていました。こういったモチーフものはキャッチーですしね。

細野

イニシャルバックルは、当時のオーナーの名前などが刻まれたバックルのこと。さまざまなブランドで展開していましたが、特にアメリカのトップジュエラーが作っていたものが人気なんですよね。今回の別注のバックルも、それをイメージしながらイチから作りました。彫りの深さやイニシャルのフォントなど、昔のデザインを改めて勉強し直したので、お互いに納得のいくイニシャルバックルになったと思います。

#01

イニシャルバックルの資料

イニシャルバックルの資料

#02

今回の別注ベルトのバックル

今回の別注ベルトのバックル

#01
イニシャルバックルの資料
今回の別注ベルトのバックル

イニシャルバックルの資料

グラフィック的なデザインのベースは、アールデコになるんでしょうか?

細野

そうですね。このイニシャルバックルに関してはアールデコが基調になります。バックルはベルトの顔とも言える大事なパーツなので、フォントの陰影の付け方などにもこだわっています。

細野さんの手も入れて、他とは一線を画す付加価値をプラス細野さんの手も入れて、
他とは一線を画す付加価値をプラス

今回の別注で特にこだわったところを教えてください。

細野

山本さんから一点だけリクエストがあったんです。どこかに私の“手”も入れてほしいって。

山本

私も大好きな〈ロザリア プロダクト〉っぽさも残したんですよね。9割5分は工場の機械で作られていても、最後の5分は細野さんのハンドメイドで仕上げてもらう。そうすることでモノとしてのストーリー性も出ますし。私の中では〈ロザリア プロダクト〉と〈ERP.〉が別物と考えていなくて、細野さんが手掛けている理由や背景をちゃんと見せたかったんですよね。〈ERP.〉が単なるディフュージョンラインに見えてしまうのは、本望じゃないところなので。

HANDCRAFT DOUBLE RING BELT.

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¥18,700

ART-DECO INITIAL BUCKLE BELT.

ART-DECO INITIAL BUCKLE BELT.
¥27,500 coming-soon

細野さんが手を入れた部分はどこになるのですか?

細野

手を入れたのは、一番負荷がかかるバックルと本体をつなぐ部分です。ベルトにおいて一番重要な部分でもあり、ここをハンドステッチで仕上げることで強度も高められるんです。ナイロン糸を使う機械と違ってリネン糸を使いますし、1箇所ほつれてもすべて剥がれてしまうこともなくて修理もできる。ハンドステッチにはさまざまなメリットがあり、なにより見た目も美しいんです。

リングベルトは2人でこだわったベルト幅にも注目リングベルトは
2人でこだわったベルト幅にも注目

なるほど。ベルトの核となる部分に細野さんの手が加えられているんですね。それはリングベルトもそうですか?

山本

そうですね。一番負荷がかかる部分は、同じようにハンドステッチにしてもらっています。リングベルトに関しては、ベルト幅も2人でかなり話し合いましたね。その結果、今回は2.5cmにしたんですが、これは男女ともに着けやすくするため。ボトムスを選ばない幅でもあります。

細野

太すぎず細すぎず絶妙なベルト幅ですよね。リングベルトはナイロン素材がベースなのですが、シルキーなタッチなので品よく見えるのもポイントです。

リングベルトの色展開も絶妙ですね。色もお二人で話し合ったんですか?

細野

色は山本さんにお任せしました。

山本

イニシャルバックルはブラック・ダークブラウン・トープの汎用性の高い3色ですが、リングベルトはブラックやブラウンに加えて、オレンジやベージュも展開しています。リングベルトでは珍しい色ではありますが、白Tシャツとジーンズの定番コーデのポイント役としても取り入れていただきたいですね。

リングベルトは部分的にレザーを使用しているので、より品よく見えますね。ちなみにイニシャルベルトの素材はなんですか?

細野

ボックスカーフを使用しています。革自体が高いのでベルトに使われることは少ないですが、仔牛なので繊維がギュッと詰まっていてキメも細い。それなのに耐久性にも優れ、経年変化も美しいんです。

山本

ちょっと値が張る素材を使っていても、「ビショップ」のお客様はファッション感度の高い方だと思うので、ぜひともベルトはクオリティの高いものを着けていただきたいんですよね。一生モノになりますし、普段の着こなしもグッと格上げできますから。

山本さんのお話を聞いて思い出したのですが、このベルトレスの時代にあえてベルトを着けている方って、すごくおしゃれな方が多い気がします。

山本

洗練されているというか、絶対的におしゃれだと思います。ウィメンズは2026年秋冬にウエストマークのトレンドでしたし、またベルトにスポットが当たるのも時間の問題かも。

細野

ベルトバッグも結構流行っていましたしね。

最後に、この別注ベルトについて一言いただきたいです。

細野

どちらもベルト穴がなく、ユニセックスなベルトになっています。体型の変化などにも左右されないので、経年変化を楽しみながら長く愛用していただきたいですね。

山本

これはイニシャルベルトも共通するのですが、今回の別注ベルトはカジュアルアップを狙っています。どちらもカジュアルな印象が強いデザインではあるのですが、細野さんの手にかかるとこんなにも上品に仕上がる。素材や色合いもそういったところを意識しているので、白Tにジーンズの定番スタイルでも成り立ちますし、品もプラスできる。なにより、別注ベルトのこだわりをすべて理解していただけると、かなりのお値打ちだと思ってもらえると思います。

Bshop Exclusive Item

インタビューに登場した
別注アイテムはこちら

  • ART-DECO INITIAL BUCKLE BELT.
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  • ART-DECO INITIAL BUCKLE BELT.
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ERP.

ART-DECO INITIAL BUCKLE BELT.

¥27,500 coming-soon

Color : BLACK / D.BROWN / TAUPE

ヴィンテージ(アールデコ調)のデザインを踏襲したイニシャルバックルのベルト。オリジナルデザインのバックルの中央にはブランドネームを刻印。素材はフランス製の牛革を使用しており、肌理細かなボックスカーフは、耐久性にも優れ、美しい経年変化が魅力です。ベルト穴がないため、体型の変化などにも左右されず、長く愛用していただけます。

  • HANDCRAFT DOUBLE RING BELT.
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  • HANDCRAFT DOUBLE RING BELT.
  • HANDCRAFT DOUBLE RING BELT.

ERP.

HANDCRAFT DOUBLE RING BELT.

¥18,700

Color : BLACK / BROWN / ORANGE / BEIGE

幅広いコーディネートに馴染むダブルリングベルト。リング部分にはヴィンテージの銀製品に着想を得た、オリジナルの刻印を一点ずつ手作業で施しています。ナイロン素材をベースに、表側にはフランス製カーフレザーを使用し、ブランドイニシャルをモチーフにしたステッチにて縫製。ベルト穴がないため、体型の変化などにも左右されず、長く愛用していただけます。