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F I S H E R M A N’ S  S M O C K

2018.11.15  THURSDAY

日本の民芸運動をたどるとイギリスのアーツアンドクラフツ運動につながる。柳宗悦はウィリアム・モリスに影響を受けていたものの、その美的センスは正反対だと言っても良い。
民芸運動に「用の美」と言う言葉がある。簡単に言うと、用は日用品の用であり、日常生活において使い勝手の良いデザインはもちろん、使う過程で人の心を満たすものの美しさである。

イギリス由来のスモックには、かつてこの極東の島国で起きたムーブメントに近いなにかを感じる。
古くからは漁師のワークウエアとして着られていたが、そのうち業種の垣根を越え、茶碗や湯呑みと同じように、道具として人々の生活に溶け込んでいる。

私だけかもしれないが、100年前の人も同じようなものを着ていたと思うと、ちょっとおなかのあたりがソワソワしてくる。100年前の情景が見えてきそうな気さえしてくる。
LABOUR AND WAIT LONDONでは雑貨店の日用品の一つとして、当時のスモックを忠実に再現したものを作ったそうだ。
実際にLONDON店のウエブページに記載されていた紹介文をそのまま翻訳し、以下に載せている。
その語り口や言葉遣いから、オーナーのサイモンとレイチェルの思いを感じられるだろう。

少しでも気になった方は、千駄ヶ谷にある LABOUR AND WAIT TOKYOへ足を運んでみてほしい。

 

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We are proud to introduce our new Fisherman’s Smock. This venerable piece of workwear has been an essential outer layer for British fishermen for over a century, but it has also been popular with painters, sculptors, potters, craftsmen… and shopkeepers! So what is it and why do we like it?

由緒あるこのワークウェアは1世紀以上も、イギリスの漁師達の間で必要不可欠なアウターとして着られていました。それはやがて画家、彫刻家、陶芸家、職人、小売商人の間で人気となります。それは一体どういう服なのでしょう?どうして、これほど愛されるのでしょうか?

 

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The fisherman’s smock is a classic example of functional, utilitarian clothing. The Folkestone fisherman pictured above is wearing the traditional pocketless version. Smocks were originally cut from sailcloth, making this garment a strong and sturdy extra layer. This kept the wearer warm and dry, protected his woollen jumper, and was comfortable and easy to work in. The slightly shortened sleeves prevented the cuffs getting wet – a feature also seen on Guernsey jumpers and Breton shirts – while the tight fit and high neck ensured maximum protection from the elements.

Fisherman’s Smockは機能、実用性を備えたクラシックな服の一例です。
上の写真はフォークストン(イギリス南東部、Dover海峡に臨む港市)の漁師で、伝統的なポケット無しのスモックを着ています。
スモックは元々、帆布をカットして作られており、強くて丈夫な事から、セーター等の上から着られていました。着る人を暖かく、ドライに保ち、中に着ているウールのセーターを保護し、動きやすく快適なワークウェアでした。短めの袖で袖口が濡れない様になっています。この様な特徴はガンジーセーターやブレトン・シャツにも見られます。タイトフィットと詰まった首元のおかげで、最大限に着用者を保護してくれます。

 

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By 1910, the heyday of the herring industry, smocks were being supplied to fishing communities throughout Great Britain. But it wasn’t just a uniform for fishermen to work in – the practical, utilitarian nature of the fisherman’s smock meant it was adopted by many artists and artisans.

ニシン産業が絶頂を迎えた1910年頃にはイギリス中の漁師のコミュニティーにスモックが支給されました。それは単なる漁師が着るユニフォームではなく、実用性、機能性に富んだスモックは多くの芸術家や職人達にも着られるようになりました。

 

The cheap, tough, easy to find smocks provided the perfect protection for artists as well as sailors. In the early decades of the twentieth century, St. Ives in Cornwall became a popular destination for artists. We can well imagine they were inspired by the clothing worn by local mariners, such as this rather motley bunch from along the coast in Mousehole, whose white smocks betray their sailcloth origins.

船員や漁師が使用していた安価で、丈夫なスモックは完璧な作業服として芸術家達の間にも広がった。20世紀当初にはイギリス南西部コーンウォール州のセント・アイヴスは芸術家にとって人気の場所となりました。
船員達が着ていたスモックはやがて、同じくイギリス南西部コーンウォール州にある漁村マウゼルから種々雑多に派生して行き、白い生地帆布以外の布でも作られるようになりました。

 

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In-keeping with these origins, our smocks are also made from sailcloth fabric, which washes and ages beautifully, very much like good denim. The only alteration we have made to the original are longer sleeves and a triple patch pocket.

Whether for sailor or sculptor, the fisherman’s smock remains a functional and timeless garment.

今回LABOUR AND WAITで新たに展開するスモックは、原点に忠実に帆布から製作しました。
良いデニムの様に、洗えば洗うほど、着れば着るほど、味が出ます。
唯一オリジナルに手を加えた点は、袖を長くした事と3連のパッチポケットをつけた事です。

もちろん船員や彫刻家でなくともFISHERMAN’S SMOCKは、実用性・機能性に富んだタイムレスな服として現代でも通用すると、私たちは信じています。

 

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Pictures from the National Maritime Museum Archive and the Pentreath Photographic Archives. Photograph of Eli Farrow the fisherman by Walter Clutterbuck, from the Norfolk County Council Library.